CIOメッセージ

常務取締役(CIO) 奥野一成の写真

2007年に農林中央金庫の社内プロジェクトとしてスタートした「長期厳選投資」は、株式を市場で流通する株券としてディーリングするのではなく、企業価値を保有しその増大をリターンとして享受しようとするものであることから、現在の株式市場に対するアンチテーゼであり、日本の機関投資家の取組みとしては稀有な存在でありました。

これまで、リーマンショック、ユーロ危機、東日本大震災等、株式市場そのものを揺るがすできごとが次々と起こる市場環境下において、数々の試行錯誤を繰り返しながら、着実に企業価値評価におけるノウハウを蓄積してまいりました。そして、株価が大きく変動する中にあっても、我々が保有する「構造的に強靭な企業®」の長期的競争力は毀損されることなく、結果として継続的に良好なリターンを残すことができました。

「長期厳選投資」の運用スタイルの正当性を証明するには時期尚早ではあります。しかしながら、真摯に価値に向き合い、長期的に企業価値の成長にコミットするということは、金融本来の役割であるとともに、まさに投資家の本懐であり、楽しさややりがいを投資チーム全員が強く感じております。

今後も、価値というものさしを常に持って、チーム一人ひとりが個性を十二分に発揮しながら主体的かつ自由に発想し、コアスキルである価値評価の能力にいっそう磨きをかけて参ります。効率的な資本配分により企業価値創造に寄与するとともに、市場の変動に関係なく長期安定的なリターン(アルファ“α”)の獲得を実現していきたいと考えております。

常務取締役(CIO) 奥野一成